ご挨拶

Paw in Handって何?と疑問に思って来られた方もいらっしゃるでしょう。

“Dog is man’s best friend” というフレーズが西洋では、古くから使われています。そのソースにはいろいろの説がありますが、西洋では皆が知っている言葉です。そうなのです、人の最良の友として、神(GOD)が犬(DOG)を作ってくれたのです。

Hand in Hand で人と人が手を取り合うという意味から、もじって、犬のPawと人間のHandを取り合って生きていく、そんな思いから名づけました。

日本でも西洋でも、大昔から、犬は常に人にとって、最も身近な存在でした。そんな犬が人間社会で理想の共生をして行ける術を追及していく活動をするため、2015年、この法人を立ち上げました。

この法人を立ち上げたときから、日本の動物愛護・福祉の考え方も、かなり変わってきました。10年前なら人間に遺棄された犬猫たちは、ほとんどみな、ガスによる殺処分機で殺されて来ました。

今でもそのことすら知らない人も多いかとは思いますが、現在たくさんの身を削って活動をしている、愛護団体、ボランティアの皆様の活躍で、こうした犬たちが第2の犬生を送れるように、日本も変わり、殺処分される犬猫たちも都道府県によりますが、だんだん少なくなってきました。

ですが、ただ、殺処分0と唱っていれば、心地良い、現状をよく知らない一般の人から、お涙を頂戴、かわいそうだからといって、寄付を頂戴できるという、そんな団体もしばしば見られるので、皆様どうぞお気を付けください。それだけでは、日本の抱える問題は、まったくもって解決しません。

なぜ、このように遺棄される犬たちが多いのか?まず、容易に犬が手に入りすぎることと、法律で犬は「物」と定義されていることです。

日本では、商業施設での生体展示販売があります。このビジネスを支えているのが劣悪な環境下で、機械のように子供を産ませているpuppy mill(繁殖屋)そして幼いうちでないと売り物にならないとして、親から充分な、社会性や免疫を身に付けずに幼くして引き離された仔犬たちが、品物のように競りにかけられる、おぞましいpet auction(競り市)があります。ここで競り落とされた、毎日千匹以上の犬が店頭で販売されているのです。

命が店頭で売られていることに、なにも不思議を感じないのでしょうか?犬ってペットショップで買うものでしょと思っている人がいかに多いか?ペットショップで買う人の10人に1人が、殺処分される運命のワンコの里親になってくれたら。我が国の殺処分はゼロになりますとよく言われます。

それより、誰もペットショップで買う、このことをやめれば、こんなpuppy millで苦しむ親犬や、流通途中で命を落とす仔犬や、一般家庭に行っても、一生病気を背負う犬も生まれないのです。この悪い慣習が、自然淘汰されるのです。

まずは、殺処分0という言葉に踊らされず、その蛇口を占めることなのです。

保護犬を飼ってくださいというのが、私どもの方針ではありません。みんな、保護犬保護犬ってこの頃言うけど、保護犬ってなんだか難しそうだし、手軽だからペットショップにしたわという、何故ペットショップで買ってはいけないのかを知らずにただ保護犬ブームと思っている人もたくさんいます。これも、これからの課題です。

幼犬から買いたい人はペットショップでなく、私どもが師と仰ぐ、スイスのPascal Shmid氏のような「犬こそわが命、私のすることには何も隠すものはありません」と謳う善良なBreeder(ブリーダー)のような考えを我が国にも広め、そんなブリーダーから、皆が犬を手に入れられる社会にすることが、目標なのです。

西洋と先ほど書きましたが、犬に対する考え方も国それぞれに違います。私は、一番の動物先進国は、スイスと気づき、Pascal Schmid氏を師とし、スイスをお手本に様々な活動をしております。

どの国にも、いろんな人がいて、愛犬家も、犬嫌いもいますし、動物虐待をする人もいるでしょう。しかし、犬が社会の一員として、しっかりと守られている、一番の国はスイスと信じております。その、細かい内容は、これまで、またこれからも、私が、スイスにわたり学んできたことをお伝えしていきたいと思います。

日本が敗戦したとき、マッカーサー元帥が、「日本よ、東洋のスイスであれ」といったという話が伝えられています。ある意味、几帳面で、細かい技術に優れた国民性は、日本人と大変良く似ていると思います。国土や人口密度や、政治を考えると、そのまま、すべてを日本人に当てはめることはできません。しかし、スイスから多くを学び、「犬は社会の一員」のテーマを追求して活動しております。

さて、2019年10月12日、台風HAGIBISが、日本列島を襲いました。数十年に1度の巨大台風と、しきりと騒がれていましたが、地球の歴史は46億年と言われています。最初は生命など存在できなかった地球に、数億年前から生命が誕生し始めました。生命の生存に必要なのはオゾン層。太陽から降り注ぐ有害な紫外線がシャットアウトされ、宇宙から降り注ぐ有害な宇宙線や太陽風から生命が守られるようになったからです。

それでも、何度も生命の歴史の中で、その絶滅と誕生を繰り返し、人類が誕生したのはほんの20万年前なのです。地球の46億年の歴史を考えてみたら、人間は生まれたばかりのNew comer (新人)なのです。そのことを謙虚に受け止め、すべての生命と共に生きていかねば、また、生命の絶滅する日がやってきます。

2019年月17日に、一般社団法人 動物共生・福祉協会Paw in Handと法人名を変えたのも、人間が奢り高ぶることなく、すべての動物と共に手をたずさえて生きて行って欲しいという、私の心からの願いが込められているからです。


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